第4話 投資の予測可能性は上げられるのか

投資資産形成

株式の「リスク」という言葉は、実はとても誤解されやすい。
危険という意味ではなく、“価格がどれくらい上下にブレるか(変動幅)” を指す。

そして、その変動幅を数値化したものが 標準偏差(ボラティリティ) だ。

この概念を理解すると、
リスク10%、20%、30%の違いが一気にクリアになる。

📈 株式のリスクとは何か

• 株価が予想より上にも下にも動く可能性のこと
• リスクが高い=危険ではなく、振れ幅が大きいという意味
• 振れ幅が大きいほど
 - 大きく儲かる可能性もある
 - 大きく損する可能性もある

つまり、リスクとは “結果のブレ幅” のことだ。

🎯 リスク10%、20%、30%の違いを直感的に理解する

期待リターンを 年5% と仮定して比較してみる。

▼ リスク10%(低リスク)

• 1年後の結果は −5% ~ +15% に収まりやすい
• 値動きが穏やか
• 典型例:大型株、インデックス、ディフェンシブ銘柄

▼ リスク20%(中リスク)

• 1年後の結果は −15% ~ +25%
• 上下の振れ幅が大きくなる
• 典型例:成長株、テーマ株、ハイテク株の一部

▼ リスク30%(高リスク)

• 1年後の結果は −25% ~ +35%
• 大きく儲かる可能性もあるが、落ちるときは深い
• 典型例:新興企業、小型株、テーマ株

🔍 リスクは“感覚”ではなく、ポートフォリオ全体の揺れ幅をどう設計するか

• リスク10%:安定した基盤を作る
• リスク20%:成長を取りに行く
• リスク30%:スパイスとして少量だけ入れる

さらに踏み込むと、

• シャープレシオ(期待リターン÷リスク)
• リスクパリティ(リスク寄与度の最適化)

など、より“方法論的”な分析が可能になる。

■ ここからが私自身の経験に基づく話

第3話で紹介した通り、私の株式投資は リスク20〜30%の銘柄が中心 だった。
それまで「株は上がったり下がったりするもの」と漠然と考えていたが、
数値で可視化されると、現実を直視せざるを得なかった。

「この資産を、このままリスクに晒しておいていいのか?」

還暦を超え、収入が減っていく中で、
高リスクを取り続ける意味があるのか
という根本的な問いに向き合うことになった。

担当者と何度も壁打ちをし、
最終的に決めた基本方針はシンプルだった。

リスク20〜30%の世界から、10%台前半の世界へ移行する。

そのために、第2話で整理した金融商品へと、
ポートフォリオを3年かけて組み替えていった。

■ 当時のポートフォリオの問題点(数値で見えた“構造的な弱点”)

① ポートフォリオ全体のリスクが高すぎる

構成比 × 個別リスク の合計は 約24.1。

相関を考慮すれば実際のリスクは15〜20%程度だが、どの銘柄が全体を揺らしているかは明確だった。

② 分散効果がほぼない(1銘柄が支配)

• 比率49% × リスク25.8% → 寄与度12.64
• 全体の 52% を1銘柄が占める異常な構造

③ セクターが「景気敏感の塊」

レジャー・電子部品・自動車・航空・金融で 約80%。
景気後退局面では 全銘柄が一斉に下落する構造。

④ 安定セクターがわずか

通信・警備・医薬品で 16%。
分散効果が弱すぎる。

⑤ 地域が日本に集中

グローバル分散がなく、
地域ごとの成長・後退の波を吸収できない。

⑥ 低リスク金融商品がゼロ

債券・投信・保険などの安定資産がなく、
全体が株式の揺れに直結。

✔ リスクは“銘柄数”ではなく“寄与度”で決まる

高リスクが悪いのではなく、
比率設計がすべて だと痛感した。

⑦ ポートフォリオ全体の期待リターンを考えていなかった

10年、20年後に資産がどこに到達するのか。
その“期待値”を考える視点が欠けていた。

■ 今振り返ると、こうした視点を最初から持っていれば…と思うこともある

しかし、遠回りしたからこそ、
「リスクと期待リターンで資産を設計する」
という今のメソドロジーに辿り着けた。

次回は、株式投資を始めて20数年後に気づいた
ポートフォリオ組み替えの実録 を共有したい。

私はリスクを半分にしながら、
リターンを最大限にする構造へと移行しました。
まだ、組み換えの最終形ではありませんが、そのプロセスを、具体的な数字とともに紹介したい。

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